お早うございます。早起きディレクターです。
世の中の技術の進化はますます加速を増し、私の専門の映像部門でもカメラ類など撮影機材の発展ぶりはそら、恐ろしくなるほどです。
10年ちょっと前までは本格的に写真を撮る人といえばたいてい高画質の高級一眼レフカメラを使っているのが常識でしたが、今ではその座も一眼ミラーレスカメラに奪われてしまいました。
最新映像機器はえぐいほど便利で簡単です。でも・・・
ちなみにミラーレスカメラとはカメラ内部にミラー(鏡)が無い(レス)カメラのことで、それによりカメラ本体はさらに小型化できて、おまけに電子化で高度なAI技術を用いた被写体検出機能やトラッキング機能などにより、オートフォーカス性能、つまり「ピント合わせ」がむちゃくちゃ楽になりました。
わたしの相棒であるキャノンの「EOS 5Dマーク3」もかつては「完成品」と言われた一眼レフカメラの名機ですが今や出番がかなり減っており、その代わりにソニーのミラーレスカメラ「α7cⅡ」が堂々レギュラー4番を張っています。
このミラーレスカメラ「α7cⅡ」は写真撮影だけでなく、手ぶれ補正など動画撮影者にも便利な機能が充実しているので私のような映像屋にはもってこいなんです。
この小型カメラはどこでも持ち出して撮影できるだけでなく、ジンバル機能付きなので手ブレのない「スムーズでなめらかな映像」がいつでもどこでも速攻で撮影できます。
スムーズで滑らか映像が絶対正義なのか?
さて、長い前フリをごちゃごちゃ書きましたが、実はここからがわたしの言いたいことです。
映像に興味のない方には興味がないかも?ですが、そこは我慢して読んでくださいませ。
というのも、さきほどミラーレスの手ブレ機能やアクションカメラ「」の映像は「スムーズで滑らか」と書きましたが、これが便利なようで、もしかしたら逆に撮影者をだめにする機能なのではないか?と最近感じるようになったんです。
「何をいっているの。映像は滑らかな方が良いに決まっているだろ!」という意見が多勢なことは重々承知です。
(?)
では、なぜそんな事を考えるのかというと、アクションカメラは簡単にきれいに撮れるから「多用」しすぎてしまう恐れがあるんです。
これはジンバル付き小型アクションカメラに限ったことではなく、スマホやミラーレスカメラに大きなジンバルを装備して撮影する場合も同じです。
スムーズで滑らかな映像が楽に撮れるので、撮る側はずーっと延々と「考え無しに」撮影してしまうのです。
考えなしに撮影することは一流の(一流を目指す)動画屋にとってありえないことで、撮影現場でもし自分のアイデアもプランも対象物への想いもへったくれ(?)も関係なく、ただなんとなくぼーっと撮影したりすれば大抵ろくな結果になりません。
無意味にランダムに撮影された長い素材をいざ自宅で編集する段になって頭を抱えることになります。
クリエイターを駄目にする便利なカメラ機能
そういえばわたしがまだディレクターになりたての頃、現場で「とりあえず(ビデオを)まわしておいてください」なんてベテランカメラマンに言おうものなら、露骨に嫌な顔をされたもんです。
普通の良いカメラマンは想いも根拠もないカットの撮影指示をとても嫌がるんです。
だってそんな指示を出すディレクターなんてろくな作品が作れませんから。
と、こんなふうに、かつてはわたしもベテランカメラマンや先輩ディレクターたちから「現場で撮る映像には自分なりの思いを持って!そのワンカットワンカットに意味をもたせよ!!」とか
「意思を持って撮影した映像」と「ただ写っているだけの映像」とは「まったく別物である」なってことを、こんこんと教え聞かされたものです。
そんなわたしが、最新ジンバルカメラが「ただスムーズでなめらかな映像が撮影できる」というだけで、何も考えなしに撮影していた・・・かも?
だとしたら、これはまさに悪夢、堕落です。
もちろんスムーズ&滑らか映像を売りにすることが全部だめだと言っているわけではなく、美しい4Kや8K映像でジンバルやドローン撮影をする旅動画YouTuberも、もちろんそれはそれで良いと思います。
でもいわゆる、ちゃんとした(プロとしての)映像屋になりたければケースバイケースで道具は使い分ける必要があると言っているのです。
だって人物にインタビューする場合に(普通は)ドローンは使いませんし。
物事を詳細にっ説明したいときに(普通は)ジンバルは使いません。
しかもジンバルやドローンばかりを使っていると絵の画角が理解できません。
だからきっちり撮影したいときは三脚を使う。
そして普段は手持ちカメラでよしとする。(なるべくブレないように)
そして、さらに「さあここからは滑らかな映像が必要だ!」となればいよいよジンバルの出番です。
こんなふうに機材をそれぞれに使い分けられることが大事なんだろうと思います。
いずれにせよまずはフィックス(カメラを固定した)映像でカチッとした絵が撮れることが基本です。
そんなこんなで猛反省しているわたくし早起きディレクターは、実は今やジンバルをなんと3台も保有しています。
ジンバルって本当に一度使うと癖になるんですよ。とほほ。
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わたしのジンバルちゃん |
そんな便利なジンバルと昔ながらの三脚を駆使して、一昨日撮影した「しだれ桜」の動画を最後にごらんください。
中盤のしだれ桜映像(1分7秒あたりから)はジンバルを使いたおしていますw
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