お早うございます。早起きディレクターです。
今年ももう1月7日を迎えました。
皆さんにおかれましてはお正月はご家族と楽しい時間を過ごされましたでしょうか?
そろそろお屠蘇気分も抜ける頃ですが、実は私はまだ正月気分がだいぶ残っております。
というのも年明けそうそう、渥美清さん主演の「男はつらいよ」シリーズに、またまた、どっぷり浸かってしまったからでございます。。
(寅さんにハマるのはこれで何回目でしょうか?)
よく言われることですが「男はつらいよ」という映画を観るのに、お正月ほど”ぴったりのタイミング”はございません。
日本人の心を故郷に誘う映画
さて、昭和生まれの善男善女の皆さんは御存知の通り、かつて、この映画はたいていお正月前(またはお盆前)の時期に公開されたものでした。
お正月やお盆といえば”日本人が日本人であるというアイデンティティーをもっとも強く意識する”時間。
映画の中でも年末年始の懐かしい風景がよく描かれますし、港町や路地など、徐々に消えていく昭和の風景もふんだんに出てきます。
そこに日本人の心を知り尽くした山田監督の絶妙な演出(本当に悪い監督です。もちろん良い意味で。)
日本を誇る俳優陣の達者な演技と、山本直純氏によるファとシを抜いた「ヨナ抜き音階」で作られた名テーマ曲。
そして、なにより「日本人の良き習慣」が満載のストーリー。
みんな「男はつらいよ」を観ながら、田舎出身の人は実際の故郷に、都会出身の人は架空の故郷に心を誘われたものでした。
「でした」と、書かなければならないのが悲しいところで、いまやこの映画のように日本人である喜びを感じさせてくれる物語はだいぶ少なくなったようです。
(現在、唯一の楽しみであるNHK朝ドラ「舞い上がれ!」では”僕の心を故郷へ誘ってくれるヒロインのお父さん”が正月早々亡くなってしまいました・・・悲しい)
人生はそんなにうまくいかないから?
でも、この映画は若い頃から大好きでしたが、今の年齢ほどは心を揺さぶられなかった。
なぜなんだろうか?
きっと歳を重ねていくうちに、「人生ってそんなに自分の思うようにはいかない」ということが身にしみてわかってきたからでしょうか。
それもまた寂しいことではありますが、でも映画はぜったいに暗いだけでは終わらない。
常に希望を感じさせる。
実際の人生もそうありたいものです。
毎回、物語の終盤では恋に破れた寅さんが再び長い旅に出る。
「おにいちゃーん」
そしてカットが変わり、場面はとある田舎町でささやかな賑わいを見せる正月風景。
人々を相手に商売する寅さんの明るい名調子。
「ああ、日本っていいなあ」
思わず、心のずっと奥の方から懐かしい感情が滲んできます。
ちなみに年始いらいの「男はつらいよ」視聴シリーズで、今回もっとも心に残っているセリフは志村喬さんの一言です。
東京に博とさくら夫婦を訪ねた志村喬さんが、帰り際、新幹線チケットを用意しようとする息子博の申し出をやんわり断るシーン。
「人間歳をとると早い乗り物に乗る必要がない」
なぜだかわかりませんが、このセリフが今の自分の琴線にふれました。
というわけで今年ものんびりマイペースでまいりましょう。
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