お早うございます。早起きディレクターです。
だんだん秋も深まり日の出もぐっと遅くなってきました。
恒例の朝の散歩も午前5時くらいだとまだまだあたりは真っ暗。
そんな中、サングラスを頭に乗せて耳にスマホのイヤホンを当て、おまけにカメラ片手に歩いていると見た目は”かなり怪しいおっさん”です😎
すれ違う野良猫も不審者を見るようにコチラを睨みつける。
「朝から脅かしてすまんのう」
でも、毎日のこの散歩は健康には欠かせません。
なにより、徐々に明るくなっていく街の風景と朝の空気は心の健康に最高です。
そしてそんな時に耳に流れる音楽の力は絶大です。
今では昼間にイヤホンをしている若者は普通にみかけますが、おじさん的には是非、朝の散歩時にイヤホンで音楽を楽しんでほしい。
明けゆく街の景色を見ながら音楽を聞いて闊歩していると、まるで自分が映画の主人公になったような気分で、それは自分がかつて10代の頃に日本でソニーの「ウォークマン」が登場した頃とまったく同じです。(みなさんも同じような体験がありますよね)
朝イヤホンをして歩いているとあの頃のワクワク感、青い感覚がよみがえります。
これ本当。
マイルズの演奏する「枯れ葉」の音色が朝から染みる
先日もイヤホンでジャズを聞きながら歩いていたんですが、ふと流れてきた名曲「Autumn Leaves(枯れ葉)」に思わず足が止まってしまいました。
そう、ジャズ好きなら誰でも知っている有名なアルバム「サムシング・エルズ」に収められた、Gm13度の響き(ミの音)が印象的な、あの「枯れ葉」です。
このアルバムは世間的にはアルトサックス奏者のキャノンボール・アダレイがリーダーということになっていますが、実質的な主役はなんといってもマイルズ・デイビス師匠。
でも実はそんなマイルズさんの独特な”ミュート”した「枯れ葉」でのトランペット演奏は、僕的には立派すぎてかっこよすぎて、これまでの音楽人生ではどちらかといえば敬遠していた一曲だったんです。
しかもマイルズ・デイビスという人のイメージがあまりにも偉大すぎて、何を考えているのか訳がわからない”壁の高い孤高の人”的存在で、まったく僕を寄せ付けませんでした。
だからジャズを聞き始めた30歳そこそこの若造が「マイルズ・デイビスが好き」なんてとても言えなくて、これまでもっぱらビル・エバンズやスタン・ゲッツ、セロニアス・モンクなどにうつつをぬかしていました。
しかし、秋の朝の光の中で聞くマイルズさんのラッパ音の”あらためて”素晴らしいことよ。
ジャズ好きの皆さんがおっしゃるとおり、ぎりぎりまで音色を抑えたマイルズのトランペットプレイはまさに「マイナスの美学」の極地です。
今では「マイナスの美学」なんて、社会では滅多にお目にかかれなくなりました。
特にアドリブソロの部分では、キャノンボール・アダレイさんの演奏が比較的ぺちゃくちゃ”饒舌気味”なので、とりわけそのストイックに抑えた無口な演奏がよけいに美しく儚く聴こえるのかもしれません。
その神がかった音色の美しさに62歳にしてようやく目覚め(気づき)ました。
「マイルズさんこれまでの無礼な態度をどうかお許しください」
それでなくても肌寒い秋の公園の朝の中、結構長い間、鳥肌を立てながらたちすくむおっさん(心は青年)でした。
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