お早うございます。早起きディレクターです。
今年もお盆ですね。
最近はこの時期になると、いつも岩手県釜石市の事を思い出します。
かつて「ちちんぷいぷい」という番組で担当した「とびだせ!えほん」という旅コーナー特別編で訪れた釜石市鵜住居(うのすまい)。
あれは2017年のお盆のことでしたから、もう5年の月日が経ちました。
あの日の早朝、宿泊先の旅館前の松林から眺めた朝焼けの海と蝉の鳴き声は今も脳裏からはなれません。
この美しい海で大勢の人々が波にのまれ命を落としました。
釜石の”お盆野球”
かつて釜石市の鵜住居地区の住民は、お盆になると漁師さんなどが家族や友人たちが勢揃いしてみんなで野球を楽しむのを慣わしにしていました。
それは地元では”盆野球”と呼ばれており、戦後、長きに渡って住民の娯楽だったのですが、2011年の東北の大災害でその楽しみは奪われてしまいました。
それが地元の有志たちの奮闘で2017年に7年ぶりに再開することになり、その模様を絵本作家の長谷川義史さんが絵本で物語にするということで、われわれ「とびだせ!えほん」チームも取材同行したわけです。
7年ぶりの野球大会に同行
前日から小雨が降り続く中、開催される小学校はグラウンド状態が危ぶまれましたが、大会当日の朝7時半には雨も上がり無事開催。
7年ぶりということで各チームはいつも以上に真剣で、皆さん本気で優勝を狙っています。
そして「以外にも」と言っては失礼ですが、プレイする皆さんは高校野球にも出場する選手も交じるほど「本格的」なもので、これには撮影する側もかなり面食らいました。
それでも随所に見られるユーモラスなプレー。
特に外野から心のこもったキツイ野次を飛ばすOBの方々の心から楽しそうな様子が可笑しくてそして可愛らしくて、でもその心の底にはきっと亡くなった仲間たちへの悲しみも抱えていたりして・・・そんな事を想像しながら、ずっと試合の様子とそれを応援する人々を眺めていました。
お盆は「絆」の意味を考える日
野球大会は無事終わり、翌日はお盆の最終日です。
鵜住居の漁港ではあちらこちらで「送り盆」の風景が見られました。
その様子は素朴だけど厳粛で、撮影していると「結局、人間にとっていちばん大事なのは人と人との繋がりや先祖を思う気持ちなんだなあと」あらためて考えずにはいられませんでした。
それはあの震災後に良く使われた「絆」という言葉そのものなのでしょう。
そんな事をあれこれ考えていた釜石での3日間。
あの日の朝の松林からの朝焼けの海はその思いを象徴しているようでした。
あれから世界はコロナという厄災におそわれ、でも東北の復興はまだ終わっていません。
また、今年のお盆の青森では久しぶりに開催される予定だったお祭りも、今度は台風のために中止になったと聞いています。
なぜか東北には「これでもか」と厄災が続きます。
でも国はすっかりあの震災のことなど忘れてしまったかのような最近の振る舞いぶりです。
国葬やワクチンなどよりも、お金は意味のあるところに使ってほしいものです。
「絆」という言葉はどこに行ってしまったのでしょうか。
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