有名人のサインって今もほしいですか?TVあるある話⑤

2022年5月22日日曜日

TVディレクターの仕事

t f B! P L
お早うございます。早起きディレクターです。
TVの仕事をしていると、よく友人などから「有名人と会えていいね」「サインはもらうの?」なんて羨ましがられることもあります。

自分は関西在住のディレクターですが、それでも時には全国的に人気の大物俳優やタレントさんと会えることもありますし、時にはロケでご一緒させてもらうこともあります。
オーラでくらくらすることもあります。
でも、サインはまずもらいません。
なんだか”公私混同”してるみたいで恥ずかしいじゃないですか。

もちろんほとんどのタレントさんは相手がディレクターでもなんでも、サインを頼まれればたぶん引き受けてくれるでしょう。
悪い気はしませんからね。

オーラ!





スターがたくさんいた時代


平成を過ぎて令和となり、ここ数十年で芸能界も一変しました。
俳優さんやタレントさんと視聴者層との距離感はますます差がなくなってきました。
だからでしょうか、昔のように神秘に満ちた大物「スター」さんは減ってきました。

とはいえ、いまだに独特のオーラを放つ人は少なからずいます。
綾瀬はるかさん然り、深津絵里さん然り・・・
ご本人達の生まれ持っての「美徳」なのか、それとも事務所のガードがよほど固いのか、彼女たちはいまだにいわゆるテレビタレントさんとは違った空気感をまとってらっしゃいます。

そういえばかつて、沢口靖子さんが全盛期の頃にインタビューをした時もそんな雰囲気でした。
沢口さんの1メートルほど横にいるだけで、僕はその空気感と香りに呼吸困難に陥り、ひっくり返りそうになっていました。

しかも、
「顔がめちゃくちゃちっちゃい!」


その美貌はこの世の人とは思えませんでした。
もちろん「サインください!」なんて、とても言い出せませんでした。

あの大先生にだけは生涯で唯一サインを貰いました


僕がこれまで唯一サインをもらったのは22歳の頃、ラジオ大阪でアルバイトをしていた時です。

担当していた「朝のワイド番組」は、その日、早朝からちょっと空気がいつもと違っていました。
なんといってもその日のゲストはあの大歌手、田端義夫大先生なのですから。




今の若い方はもう知らないかもしれませんが、ご自慢のエレキギターを抱え、そして独特の節回し・歌いまわしで名曲「帰り船」「島育ち」など数々のヒット曲を連発。
戦後の若人たちを熱狂させた昭和を代表する大大大歌手です。
その頃(S57年頃)の田端義夫さんは、もう全盛期は過ぎたとはいえ、それでもまだまだ貫禄十分、オーラも十分ありました。


ちょっとバンカラ風の田端義夫さんの愛称は”バタやん”

舞台に上がったらまずおきまりの第一声が「おーっす!」
それだけで会場はやんやの大喝采です。

実は自分の父親も若い頃から”バタやん”のファンでした。
ですから、自分もバタやんの曲はよく聞かされていましたし、それだけに、そんな父を喜ばせてあげたくてサインを貰ったんです。

大物は心も大きいもの?



その日、田端さんは多分、新曲のプロモーションか何かで来られていたのだと思います。
スタジオの生放送を終え、ロビーでくつろぐ”バタやん”の周りは関係者や取り巻きだらけでした。
アルバイトの若造なんか、近づくことさえためらわれる雰囲気です。
でも、勇気を出して一歩前に出てサインをお願いしてみると、にっこり笑って(ような記憶がします)快くサラサラとサインしてくれました。

今になればわかるのですが、こういった大物ほど実は気さくでおおらかな人が多いものです。
それが幾重にも取り巻く人々(マネージャーとか)によって一般人との間に乖離ができてしまい、複雑な伝言ゲーム的に「妙な人物像(気難しい!天狗!云々)」が生まれてしまうものなのでしょう。
だから大物スターや歌手たちは孤独なのでしょうか。



それにしてもあの時バタヤン先生から頂いたサインを父は今も持っているのでしょうか?
サインを渡して以来、一度も見たことがありません。









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大阪市, 大阪府, Japan
関西在住。早起きのベテランTVディレクターです。これまで旅モノやドキュメンタリーを中心に活動。MBS「ちちんぷいぷい」の旅コーナー”『とびだせ!えほん』『前略、旅先にて』やKTV「ふるさとZIP探偵団」などを担当していました。 テレビ業界での経験話からドラマや音楽論。そして趣味の占星術まで色んなジャンルの話題をつづっています。

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