お早うございます。早起きディレクターです。
先週2月12日は過去の「とびだせ!えほん」のVTRから特別にセレクトして「長谷川画伯を本気にさせた風景」というテーマで総集編を放送させていただきました。
ご覧いただいた方にはあらためて感謝いたします。
画伯を本気にさせた?風景
放送した中には夕日に映える見事な赤富士や真っ白に彩られた秋田の雪景色など、四季折々の絶景もありましたが、それ意外のほとんどは”冬の雨粒”やへばりついた”散り桜”など、普段の日常生活でも見かけても、あまり注目されないような平凡で地味な風景です。
さらには路地のアロエや錆びたトタン、道端に落ちている”片方だけの軍手”など、わざわざテレビで取り上げるほどのこともないようなものまで登場しました。
もしかしたら視聴者の中には「わざわざテレビでそんな意味のないものを見せるな😡」とお怒りの方もいるかも知れませんが、それでも、そんな平凡なものや事象にも愛情と妄想をまじえて向き合うのがこの「とびだせ!えほん」の特性、真骨頂だと思ってやっております。
自分の母親のような世代でも楽しめるコーナー
そもそもこのコーナーを立ち上げる時にまず考えたのは”自分の母親のような世代の人にでも安心して面白く見てもらえるようなコーナーにしたい”ということでした。
そしてそのコーナーが成立できたのは「ちちんぷいぷい」という番組があったからだと思っています。
「ちちんぷいぷい」といえばやはり初代パーソナリティーの角淳一さんです。
実は角さんは番組がはじまる前に病気のために長期療養されていた時期がありました。
だからご本人も体を病んでいる人の気持ちが痛いほどよくわかっていて、当時よく雑談などの合間に「今のテレビ番組は刺激の強い映像や効果音などが多すぎて体が弱っている者には見るのが辛い」
そんなことをおっしゃっていたのを覚えています。
きっと「ちちんぷいぷい」という番組の中にも「弱者にも安心して見てもられる番組を」という”心遣い”、というかそんな”精神”があったのでしょう。
(それは決して”ゆるい番組”ということとはイコールではありません)
そしてそんな角さんの思いは多くのスタッフにも伝わっていったはずです。
あれから20数年。
「ちちんぷいぷい」も昨年終了し、母親は3年前に病気で亡くなりました。
世の中はますます刺激的でケレン味たっぷりなものを求めている人が増えています。
でもそんな中、派手さはなくても心に残る素朴な映像を求めている人もまだまだ少なくないと信じています。
あと、どれくらいこの仕事が続けられるかはわかりませんが、とにかく絵本スタッフともども、コーナーがはじまったころの初心だけは貫こうと思っております。
さて、次はどこに行きましょう?
よろしければ応援を!
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見