お早うございます。早起きディレクターです。
今どきのインターネットで鑑賞する映画(たとえば”アマゾン・プライム”など)では過去の鑑賞履歴から、利用者が他にも好みそうな作品を選んでおすすめしてくれるサービスがあります。
中には「なんで俺がこんな映画をみなくちゃいけないの?😳」なんていう、わけのわからない怪作も登場してきますが、だいたいは「まあそれはそうでしょうね😐」という安全で無難な線で作品が選ばれています。
で、ごく稀に自分にジャストフィットする快作映画と出会える場合もあります。
自分の琴線に触れるというか好みの芯を食った「男はつらいよ」みたな作品です。
怠惰な映画ファンにはありがたいアマゾンプライム
これは自分のような、熱心に新作映画を掘り起こすことをしない”怠惰な映画ファン”にとってはとてもありがたいサービスで、過去にもそのおかげで出会えた”わが心のホームラン級”の作品がいくつかありました。
ぼくは音楽好きですから、音楽を題材にした映画「はじまりのうた」(2013年 )や「セッション」(2014年)などにはかなり衝撃を受けました。
ほかにも「ペコロスの母に会いに行く」(2013年)「君はいい子」(2015年)など、渋いけれど心を揺るがせたテキサスヒット的な日本映画もいくつかありました。
アイスランドを舞台にした悲しい映画「好きにならずにいられない」
で、昨日見た映画が「好きにならずにいられない」(2015年)
これが久々に個人的に芯を食った大好きなジャンル&種類のお話でした。
どういうジャンルか?といえばいわゆるなんの”救い”もない”不条理”なお話です。
しかも美女もイケメンも派手なアクションもなんにも登場しない地味ーな映画です。
ましてや舞台はアイスランド。
そもそもこれまでの人生で”アイスランドなんて関わったこともなかったし、場所がどこにあるのかさえも知りません。(イギリスの左上の方にあるそうです)
もしアマゾンさんが推薦しなければ一生出会うことはなかったでしょう。
ちなみにアマゾンプライムの画面で紹介されている映画の写真を見ると「ハゲてデブの冴えない大男」が牛乳を手にぼーっとこちらを見ているだけ。
一見なんじゃこら?ですよね。
でも、暇だったのでコメディーなのかドキュメンタリーなのか、全くわけがわからない状態で見はじめました。
で、これが、はじまってものの5分ほどで切なくて哀しくて美しいその世界観に完全に引きずり込まれてしまいました。
あらすじは書きませんが、心優しい主人公フーシが失意の末、最後の飛行機のシーンで旅立つときに浮かべる複雑な微笑みは深く心に染み入ります。
とはいえこの映画をみなさんにおすすめするのかと言うとこれは微妙です。
だって何度も言いますがこの作品、一般的に言うならばとことん”救いのない、不条理”なお話ですから。
実際、映画の感想欄にも「救いがなくてこんな映画を作る意味がわからない」「主人公が可哀想過ぎる」などという批判的な意見もいくつかありました。
”救い”のない物語ってお嫌いですか?
でも僕は昔から「ああ無情」やら「家なき子」やら「フランダースの家」などが大好きな”不条理肯定派”の子どもでした。(もちろんハッピーエンドも好きです)
だからもしかしたら、そんな僕が作る「とびだせ!えほん」を好んでくれるような(このブログを読んでくれるような)奇特な人ならばきっとこの映画の良さがわかってくれるかもしれない、と思いあえて紹介しました。
興味があれば一度ご覧ください。
けっして”救い”は無くはないと思いますが。
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