お早うございます。早起きディレクターです。
今年のクリスマスもなんとなく終わりました。
クリスマスといえば昭和の40年代の前半頃、自分がまだ小さかった頃は世間はそんなには盛り上がりませんでしたが、やはりテレビのコマーシャルなどの影響か、子ども心にイブの朝はなんとなくわくわくしたものです。
「目覚めた朝、枕元にプレゼントの入った靴下が置いてないかな?」
もちろんわが家のサンタ(つまり両親)がそんな気の利いたことなんかするはずもなく、というか、そんな”こっ恥ずかしいこと”などできなかったのでしょう。
クリスマスにプレゼントをもらったような記憶はありません。
とはいえ自分の周りも似たようなもので、あの頃に何か気の利いたプレゼントを買って貰っているような友人はあまりいなかったと思います。
良くも悪くも当時の日本はまだまだそれなりに貧乏で、それなりに幸せだったのでしょうか。
昭和によくある4人家族
わが家は4人家族でした。
当時、父親は紳士服の仕立て職人で、母はその手伝いの針仕事をしながら小さなアパート(文化住宅?)で姉と僕を育てていました。
気難しくてあまり金儲けには興味のない(というか縁のない)上に、繊維産業も徐々に下火になって年々仕事も少なくなりましたからわが家はそれなりに慎ましやかな生活をしていました。
突然の贈り物
ある日の夕方、父が珍しくうれしそうな顔をして小さな箱を抱えて帰ってきました。
どうやら僕と姉へのプレゼントのようです。
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どうやら僕と姉へのプレゼントのようです。
別にクリスマスでも誕生日でもないのですが、きっと夜店で興味深いものでも見つけたのでしょう、父はたまにこういう妙な物を買ってきます。
でも、その時は子供心に「これはきっとおもちゃだ」と確信して僕たち姉弟はどきどきしました。
果たして箱を開けると出てきたのはピストルの形をした小さなプラスチック製の幻灯機でした。
スイッチを入れるとビストル内部のフィルムに光があたり、暗闇にアニメ漫画(鉄腕アトム?)の映像が映るのです。
「淳。電気を消せ!」
部屋を真っ暗にしてスイッチを入れると障子に白黒漫画の幻燈が映しだされます。
そして「カシャンカシャン!」と引き金を引くたびに移り変わる映像。
それはちょっとしたミニシアターで、もう僕たちは夢中になりました。
でも一番喜んでいたのはもしかしたら父だったのかもしれません。
その幻灯機はたぶん安物で(失礼)すぐに壊れたのでしょう、それ以降の記憶はありません。
でもあの日の暗闇の中の光景は妙にはっきりと思えています。
わが家が幸せだった頃の白黒映像です。
・・・
そんな父もあす12月27日に88歳で「米寿」を迎えます。
3年前に母をなくしてからは一人暮らしで最近は耳も遠くなり、大好きだった音楽もあまり聴かなくなりました。
もしかしたらあの日のことも忘れてしまっているのかな。
今度正月に会ったら聞いてみます。
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