お早うございます。早起きディレクターです。
われわれテレビ屋がロケ場所を決める時はたいてい「ここはぜひ取材したい!」というランドマーク的な目的場所があるものです。
それは「とびだせ!えほん」のようないきあたりばったりのコーナーでもそうで、6年前の夏に訪れたある町の場合には下の棚田がそれでした。
写真マニアにも有名な場所ですから、ここがどこかご存じの方も多いんじゃないでしょうか。
この風景を自分の目で見たかったんです。
ただ、旅のコーナーの撮影ですからこの景色のほかにも何か情報がほしい。
暇なディレクターのある日のロケハン写真 2015年8月
そこで棚田を見たあとは町の中心を散策することにします。
ところが夏の暑い盛りだったこともあるのか、この日のロケハンではまったく人と出会えず何のネタもつかめません。
こんな時のディレクターは内心かなり不安なものです。
商店にも人影はありません。
川は静かに流れるだけ。
赤い吊り橋に人がいた。
でも都会からやってきたカップルです。
4,5時間歩いても特に興味を引くようなものはありません。
というわけで棚田以外は何の収穫もないままに帰ることになってしまいました。普通の旅コーナーなら「ネタがないから・・・」とロケ先を変更する場合もあるのでしょうが、そこはじっと我慢。
「ロケ当日はきっと何かと出会える、何かを引き寄せてみせる」
そう信じてロケ日をむかえることにします。
そしてロケ当日・・・
ロケは夏休みのお盆前でした。
予想通り長谷川画伯はまず訪れた棚田をかなり気に入ってくれたようです。
農家の人にお願いしたら田んぼの中にも入れてもらえました。
この時、BGMでベートーベンの「田園」が流れていたのを覚えている人はいるでしょうか。
個人的にこの選曲はかなり気に入っています。
ロケの神様が降りてくる
で、ここからあとはロケ的には全く何の予定もありませんでした。
完全にノーガードです。
でも長谷川さんはそんなことはおかまいなし。いつもと相変わらずのマイペースです。
そしてそんなときに気まぐれなロケの神様は”たくさんの出会い”を用意してくれます。
まずは夏休みの小学生が現れて一緒に楽しく漢字ドリル!
その横の薬局では「マムシドリンク」
陽気なお父さんもマムシポーズで応酬
山荘に住むご主人には「山椒ドリンク」もごちそうになりました
最後は念願の川釣りを楽しむ長谷川さん
というわけで事前になんのネタもない時にかぎってこんな楽しい自然体のロケ展開になるもんです。
だからディレクターはいつだって開き直るしかないんですがそれもまた勇気がいる。
でも、だからこそ、まるで本物の夏休みのような一日を過ごせたロケでした。
コーナー終わりの長谷川さんが描いたスタジオ用の絵にはもちろんあの棚田「あらぎ島」が登場していました。
というわけで今回は和歌山県有田川町清水のロケハン&ロケ写真でした。
(放送は2015年8月20日)
和歌山の人の明るさ、そしてロケの神様に救われた一日でした。
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