ちちんぷいぷいをご視聴ありがとうございました
お早うございます。早起きディレクターです。
長年たずさわった毎日放送ちちんぷいぷいの「とびだせ!えほん」という旅コーナーがついに終わりました。
ご覧になった皆様からは放送後たくさんの温かい感想をいただき大変感謝しています。
またスタジオにいる南光師匠やピーコさん、未知やすえさん、河田アナウンサーの笑顔。
そして久しぶりに会えた堀ちえみさんのTVモニターを見つめる熱い眼差しを見ているとこのコーナーがいかに愛されていたのかをあらためて感じました。
もちろん、ディレクターを大船に乗った気分にさせてくれる古川アナウンサーの愛とユーモアあふれる進行にはどれだけ感謝をしてもしきれません。
「とびだせ!えほん」はこういった方々の愛情と理解に支えられたコーナーでした。
幸せとは遠くできらきらひかっているもの
湯村温泉でのロケは、最後だからといってしんみりせず、いつものえほん旅らしい”のんびり気分”を満喫しようと最初から決めていました。
だから現地に向かっているロケ車の中もなんだか遠足のようでした。
田中カメラマンが座席にうっかり置き忘れたスイーツ菓子を、長谷川さんがからかったりして笑いあっているうちにあっというまに兵庫県新温泉町に到着。
春来川での撮影ではいきなり長谷川さんの名言も飛び出します。
「遠くできらきら光っているものは近くで見るとかがやかない」
まるで桂枝雀師匠の落語「山のあなた」のような世界観です。
*わからない方はインターネットで検索してみてください
そして湯村温泉についてからも足湯でくつろいだり、佐川満男さんの手形を見てはスタッフで懐かしみながら盛り上がったりと撮影は順調すぎるほどに進みます。
このまま収録していてはたくさん撮りすぎて素材が余ってしまう。
「なんなら2本分撮影して帰ったろか?」と強気なことを考えていたら、また奇跡のような出会いがありました。
日常の小さな奇跡の連続
遠くからゆっくりゆっくり歩いてくる93歳のおばあちゃん。
長谷川さんを見て思わず「絵のお父さんじゃない?」
このおばあちゃんこそ7年前に湯村で取材したときにも出会った方です。
あの時は荒湯で菜っ葉を茹でている姿を撮影させてもらいましたが、今回は懐かしさもあってかご自分の身の上まで語ってくれました。
「3人の子供をおんなでひとつで育てるために浜坂からやってきて仲居として80歳まで働いた」
文字にすればそういうことですが、その言葉には長年の歳月を耐えてきた人だけが持つ重みがあります。
こんなおばあちゃんの”意味のある言葉”を聞き伝えることができるのが「とびだせ!えほん」の真骨頂だと思っています。
そしてお酒を振る舞ってくれた散髪屋さんや足湯の親子、姫路からやってきた家族のような人々に出会えることも大きな楽しみです。
一見地味に見えるかもしれませんが流行や情報だけに頼らないVTR作りは、どんな出会いをも魔法のような時間に変えられる長谷川さんがいたからこそ可能でした。
「朝野家」でハプニング?
ところで今回のロケの夜にはうれしいハプニングというかイベントもありました。
初日の料理シーンの撮影後、みんなで夕食を食べていると突然女将さんが登場。
手作りの誕生日ケーキで長谷川さんの還暦を祝ってくれたんです。
デラックスな女将さんが持つ可愛い手作りケーキ。
豪快に見えるけど本当は繊細な心を持つ女将さんです。
そしてテレビには登場しなかったけど、撮影の裏で走り回ってくれた専務さんやお宿の方々。
「朝野家」はそんなやさしい気遣いに満ち溢れたお宿です。
みんさんも機会があればぜひ一度ぜひお越しください。
「とびだせ!えほん」はこれでおしまい?
翌日は新温泉町も春の陽気。
心配していた長谷川さんの二日酔いも予想したほどではなく(笑)爽やかな気分で最後の撮影場所となる春来村を訪れました。
ここは昔から雪深い村で、積もった雪が溶けて流れて春来川となります。
まさに春を待つ人々の住む村。
でも春は子牛が売られていく季節。
そこで出会ったのがあの牛の親子です。
人が来たことで自分が売られて行くのではないかと思い動揺する子牛。
そんな我が子をかばおうとする母牛。
その時の母牛の瞳の美しさ。
そしてそれを描いた長谷川さんの絵の力強さと切なさ。
あの母牛の瞳とスタジオの絵を見て何も感じない人はいないと信じています。
そんな人が多くいる世の中であってほしいと願っています。
そして、きっといつかこんなコーナーがまた同じ仲間と一緒にできればいいと心から思います。
というわけで「とびだせ!えほん」は3月11日にひとまず節目を迎えました。
堀ちえみさん、長谷川さんは本当に存在していますよ。
視聴者の皆さん本当に長い間ありがとうございました。
またテレビでお会いできる日まで。
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見