2021年3月11日午後3時49分放送開始
お早うございます。早起きディレクターです。
2021年3月11日。
この日は、いつか振り返った時に特別な日になっているはずです。
そう、1999年の10月以来ずっとお世話になってきた毎日放送「ちちんぷいぷい」での最後のおつとめ(放送)の日です。
そして「とびだせ!えほん」という旅のコーナーも今日で最終回を迎えます。
1年目の富士山ロケの夜、長谷川さんが酔っ払って描いたスタッフ画 |
絵本作家の長谷川義史さんが絵を描きながら旅をする「とびだせ!えほん」というコーナーを担当してからもう9年たちました。
これまで170回以上のディレクションをほぼひとりでやってきましたから、もはや生活の一部のようなコーナーです。
はじまる前はこれほど長続きするとは思いませんでしたし、長谷川さんもそう思っていたようですが、撮影を続けるうちにいつしかスタッフ同士の関係も深まり、いつのまにか9年という月日が流れていました。
とびだせ!えほん 2年目 吉野山にて |
前略旅先にて〜とびだせ!えほん
それまでは歌手で俳優でもある佐川満男さんの「前略旅先にて」という、こちらも長寿コーナーを担当していたんですが、それが終わるのをきっかけに””新しい絵かき旅”のコーナーとしてはじまったのが「とびだせ!えほん」です。
思えば2011年9月に「前略旅先にて」の最後の放送を迎える日も、今日と同じような心境の朝を迎えたものです。
いい年をしたおっさんですが、やはり佐川さんや撮影スタッフともう旅ができないのかと思うと寂しくてたまりませんでした。
最後のロケでは、おもわず、目頭がやばくなるときもありました。
そしてそれから10年たった春に、また同じような気持ちの朝を迎えることになりました。
2011年。前略旅先にての撮影スタッフ |
「ちちんぷいぷい」に関わることができて幸福でした
階下のスタジオでは「ちちんぷいぷい」の最後の放送準備もはじまっていましたので、その様子も気になって、ちょこちょこ降りていっては中をのぞいていました。
やはりいつものスタジオとはまるで違う空気が漂っています。
すれちがう仲間たちの表情もどこか寂しげです。
でもいつの間にか始まりいつの間にか終わってしまう番組も多い中で、自分たちの担当する番組が華々しくフィナーレを迎えることが出来、しかも、「寂しい」と感じることのできる僕らは幸せもんなんだとも思いました。
最後のナレーションも撮り終えました
午後5時前にスタジオを出て階上のナレーション部屋に入ると、うす暗い室内の中でナレーションブースにだけ、ぽっと、明かりがついていました。
ナレーターの寺田ゆみこさんがひとりナレーションの下読みをしています。
いつもより、かなり早い時間に来られていたようです。
寺田さんの姿をガラス越しにしばらく眺めていました。
声は聞こえませんが、僕にはわかっています。
あの丸くて優しい木管楽器のようなぼくの大好きな声です。
ガラス戸を手でコンコンとたたくと、こちらに気づいて微笑んでくれました。
えほん忘年会。後方真ん中、長谷川さんの隣が寺田ゆみこさん |
それでは今日ものんびりと・・・「とびだせ!えほん」
最後の「とびだせ!えほん」のロケは兵庫県の新温泉町・湯村温泉で収録を終えました。
その理由は、この場所が僕や長谷川さん、そして前任の佐川満男さんとの特別な思い出の場所でもあるからです。
そしてそこには”春来”という、とても素敵な名前の村があり、そして川が流れるからです。
もちろんせっかくの温泉ロケなので長谷川さんには少し贅沢気分もあじわってもらいました。
もちろん、最後だからといって特別なことはしないで、いつもどおりの「とびだせ!えほん」らしいのんびりしたロケです。
湯村温泉そばの春来村 |
新温泉町の人々はみんな春の日だまりみたいに暖かでした。
お酒も飲みました。
温泉にも浸かりました。
今回の放送では特別に佐川満男さんも登場します。
長谷川さんから古川アナウンサーへの楽しいメッセージもあります。
今日はいつもよりちょっと遅めの夕方5時頃からの放送です。
またいつかみんなで再び出会えたらいいですね。
2021年。春来村にて記念撮影。 |
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