お早うございます。早起きディレクターです。
物語には「起承転結」「序破急」などと呼ばれる構成パターンがありますが、テレビVTRの作り手としては「最後」はやっぱり気持ちよく終わらせたいと考えています。
僕は明るくてシンプルなものが好きですから、昔の松竹新喜劇のような「泣かせたあとに笑わせる」的な王道エンディングが好きです。
もちろん変則な「え、ここでおわるの!?」的な締め方にも興味はありますが、それは高度なテクニックが必要だし毎回おなじことをするわけにもいきません。
やっぱりハッピーエンドが一番です。
旅の最後を絵でかざる”ちちんぷいぷい伝統旅”
「とびだせ!えほん」の場合は毎回VTRを見ていただいた後にコーナーの最後をかざるのが一枚の大きな絵です。
このスタジオ用の絵を古川アナが披露する時、スタジオ出演者と一緒に期待でワクワクされる視聴者も多いのではないでしょうか。
この絵のテーマは長谷川義史さんがスケッチ旅をした後に、その旅で感じたイメージをもとにあらためて自宅で決定するのですが、このように最後の場面を一枚の旅を象徴する絵でしめるというのは、ディレクターとしてはかなりありがたい(楽なこと?)です。
1枚の絵でコーナーを締めるというやり方は「ちちんぷいぷい」の初期からやっていた旅コーナー「前略!旅先にて」からはじまったんですが、当時の旅人・佐川満男さんはいつもスタジオ用の絵を描くときには旅先で、そして帰ってからも自宅でかなり悩んでおられました。
時にはうまく描けないあまり、ディレクターへ愚痴の電話がかかってくることもよくありました。
佐川満男さん作「山口県下関」 |
このように時には1日以上かけることもある大作の絵ですから、スタジオ最後で披露される時は佐川さんも(もしかしたら視聴者以上に)ドキドキハラハラしていたのでしょう。
スタジオが湧けば描く方も嬉しいし、反応が薄ければがっかりもするはずです。
それは現在の旅人、長谷川画伯も同じことでしょう。
しかも長谷川さんはプロの絵描きさんですから、一見ひょうひょうとして見えますが、実は毎回かなり気を配って内容をかんがえているのです。
「えほん旅」の絵の変遷
「とびだせ!えほん」は今年でまる9年。
これまで170回以上の旅をしてきましたから当然170枚以上の締めを飾る絵が生まれてきました。(旅のスケッチ画をいれると途方もない数です)
そしてその画風も回を重ねるごとに変わってきています。
絵本的な作品もあれば、なかにはシュールな作品もあります。そして時にはびっくりするようなアイデアの作品もありました。
最近はいわゆる”本気の絵画”が続いています。
*このあたりのお話は次回3月4日放送予定の総集編で紹介する予定です。
憧れだった松竹新喜劇の女優、四条栄美さんにはじめて出会ったあとに描いた絵などは、見たときに思わず鳥肌が立ったものです。
やはり感情を強くゆさぶる出来事があった時の絵には迫力があります。
長谷川さん作「山科区、川の向こうの四条栄美さん」 |
京都市東山編の”ド迫力”スタジオ絵もお楽しみに!
そんな中、またまた長谷川画伯がスタジオ用にとんでもなく迫力のある絵(作品)を作ってきてくれました。
今回は京都市東山区のロケを終えての絵なんですが、今まで見たこともない規模のド迫力です。
旅のVTRにももちろん注目してほしいのですが、今回もスタジオの最後をかざる絵にド注目ください。
きっと画伯もテレビの前でみなさんの歓声を楽しみに待っていることでしょう。
そして長谷川さんが描くスタジの絵を今は自宅で見ている佐川満男さんも心から楽しみにしています。
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