お早うございます。早起きディレクターです。
僕のようなロケもんのディレクターはひとつのVTRを作るのにだいたい1週間から2週間ほど時間がかかります。もちろん全国放送や公共放送になるとまた話は変わってきます。
で、作業の流れをおおまかにいうと
①「ネタ決め(会議)」→②「ロケハン」→③「台本作り」→④「本番ロケ」→⑤「仮編集」→⑥「VTRのチェック」→⑦「本編集(完パケ)」→⑧「ナレーション収録&BGM付け」
そして最後に本放送という流れです。
この中でも一番重要なのはやっぱり「本番ロケ」でしょう。
本番がおもしろくなければ、あとからどれだけ編集で頑張っても限界がありますから。
ロケディレクター、それぞれの流儀
そのロケのやりかたも人それぞれで、作家やディレクター本人の書いた台本に忠実に収録するタイプもいれば、僕のように台本は「最低限の保険」と考えて”ほとんど無視”するタイプもいます。
また収録する際にもできるだけ多くのカメラを用意してできるだけたくさん収録したがるタイプもいれば、最低限のカメラでできるだけ少量にすませるタイプもいます。(もちろんカメラ台数は出演者の人数や演出方法などによっても増えることがあります)
とにかく最近は前者の”大量に収録したがるタイプ”が増えています。というかそれが当たり前になっています。
マカロニ・ウェスタンで例えると(突然ですが)拳銃を使わずに機関銃を持って決闘に臨むようなタイプですね。(フランコ・ネロか!)
さて、収録時のカットで出演者が登場するシーン以外の「物事を説明したり強調したりするための」風景や商品などのカットを”インサートカット”と言うんですが、このインサートカットもそんなマシンガンタイプのディレクターはたくさん欲しがります。
そしてカメラマンもそんなディレクターの希望に答えるべく多くのインサートを撮影しますから結果としてロケの時間もかかるし編集にも時間がかかるようになるわけです。
(最近はカメラマンも気のいい優しい人が増えました)
インサートカットを撮影しているカメラマン |
でもそれだけ大量に撮ってきたインサートカットを編集時に全て使うのかといえば、まずそんなことはない(はずです)。
たいてい一部(たまにほとんど)のカットは使わずに捨てられ忘れ去られます。
僕などは昭和育ちの貧乏家庭の出なのでこれが無茶苦茶もったいない。
しかもせっかちな関西人なので、できるだけロケが敏速に進むよう、カメラマンには必要最低限の数のインサートカットをお願いしています。(せかされるカメラマンもたまったもんじゃない)
というわけでマシンガンかピストルか、どちらが好みかは個人の自由ですが、僕はやっぱりフランコ・ネロよりクリント・イーストウッドの方が好みです。
別にイ−ストウッドは弾丸をけちっているわけではないんでしょうが、やっぱり決闘シーンには拳銃の方が似合うと思います。
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