(2020年のブログより)
お早うございます。早起きディレクターです。
今日は一昨年末の12月26日に83歳で他界した母の3回忌の法要です。
しかし、この春に近所のお寺に納骨したのですが、例の流行病のせいで身内でもお堂に入れず、お参りもできませんでした。
本日の法事も読経を遠くから聞くしかできないようです。
国は「Go Toだ、なんだ」のとわけのわからない政策で人心を混乱させているのに、大事な母親の供養も出来ないのか・・・世間には同じようなやりきれなさを抱く人も多いことでしょう。
母親世代も楽しめるとびだせ!えほん」
母は僕の担当しているちちんぷいぷいの「とびだせ!えほん」が大好きでした。
晩年、病気になってからも木曜日の午後になると、イヤホンをつけてじっと病院のテレビを見つめていたと妻から聞いています。
時には点滴をつけたまま談話室でテレビを見ていると、母と同じような年代のおじさんおばさんが「私もこのコーナーが好っきやねん」と集まってくることもあったそうです。
放送後の夜、僕が病室に姿を見せると嬉しそうにそんな話をしてくれました。
病人が見ても疲れないテレビ
そもそもこの旅コーナーは母のような年代や病気などで弱っている人々でも共感して慰められるようなもの・・・という思いで作ったものでした。
やたら大きな効果音を使ったり刺激的な言質で視聴者をあおるような番組ではなく、見ていて優しく心によりそえるようなもの。
長谷川義史さんの懐かしくて温かい絵がその気持を後押ししてくれました。
そしてちょっと古いかもしれないけど優しい音楽も添えてみました。
一部の人はそれを「時代遅れ」と言うかもしれませんが、それでもこの世にはそうした種類のものを求めている人がいるはずだと信じています。
和歌山 加太のシャボン玉
母が白血病で倒れたのはコーナーが始まった2年目、2013年の春です。
ちょうど和歌山の加太に取材で向かう直前のことでしたから、不安な気持ちを抱えたままロケ車に乗っていたことはいまでも覚えています。
和歌山の漁師町ではちょっと不思議な出来事もたくさんありました。
いまでも印象深いのが加太の路地で出会ったシャボン玉で遊ぶ女の子。
そのシーンはとても愉快なシーンでしたが、空にむけて無数に舞い上がるシャボン玉がとても切なく見えたことを覚えています。
今や流行病のためシャボン玉で遊ぶことさえ、ためらわれる世の中になってしまいました。
でも、まだまだ母親のような人々がたくさんいるはずです。
その中の何人が見てくれているかはわかりませんが、そんな人のわずかでも励みになれるように、もう少しだけ奮闘努力させていただきます。
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