お早うございます。早起きディレクターです。
近頃は職場の上下関係もだいぶ変わってきました。指導する立場の人間が教えられる者に対して少しでも居丈高に振る舞うだけで「パワハラ」と非難される世の中です。
周りの目が気になり思わず腰が引けてしまっている上司も増えているのかもしれません。
でもそれで先輩後輩が「フレンドリー」になり組織が円滑になるかというとそうは単純にはいかない。結局それだと「軽い」だけの深みのない人間関係が生まれるだけのような気がします。
伝えるのは「芸」?「品性」?
師匠と弟子の直の噺の稽古なんて今でも行われているのでしょうか?
とある古い民家。歳の離れた師匠と弟子が畳の上で座って向き合っている。
緊張して汗をかきかき話す若者・・・目をつむってそれをじっと聞く師匠・・・いいもんですよね。想像するだけでワクワクします。
そこではもちろん落語の技術も磨かれてはいますがそれだけではない。
師匠が本当に伝えたいのは生き方だったり人間の品性だったりするのです。
・・・と、勝手に妄想してしまいましたが、それに近い事を考えている師匠さんもきっと多いはずです。
そういえば昔、NHK朝ドラ「ちりとてちん」で落語家の師匠を演じた渡瀬恒彦さんもかっこよかったなあ。
ベストキッドに見る「型」の重要性
さて、ドラマといえば古いアメリカ映画「ベストキッド」を昨夜見直しました。
有名な映画なんで内容は今更なんですが・・・ひ弱なアメリカの高校生が日本人のカラテの達人に出会ってカラテだけでなく精神的にも成長していく・・・という物語です。
この映画でよく話題になるのが師匠(パットモリタ→サンドイッチマンの伊達さんに似ています)が弟子にカラテの基本を教えるシーンです。
若者に車をワックスがけをさせたり、木の床をやすりで磨かせたり、一見カラテとは無関係な事をやらせているようで実はカラテの基本の形を学ばせている。
意外とこのシーンに共鳴した人も多いのではないでしょうか。
この年になると痛感するんですが、結局芸事って「型」が大事なんですね。
何度も何度も基礎の「型」を反復する。それを体が覚えれば、実践でピンチになった時でもすぐに基本に戻れる。
優れた師匠は弟子にそれを無意識のうちに徹底させているのでしょう。
そういえば僕もジャズギターの師匠に、ある”フレーズ”を徹底して叩きこまれています。それはジャズには欠かせない「オルタード」という音階の指遣いなんですが、今では夢の中にまでその音が出てくるほどです。
もっとも僕のギターの「型」はまだまだですが。
形の上に個性
いずれにせよ、僕はかつて同じ時間を過ごしたアシスタントたちにちゃんと基本を伝えることが出来ていたのだろうか?
なんてことを考えてしまう今日この頃です。
基本となる「型」がしっかり出来た上に、気迫を持って自分の「個性」を出す。
やっぱりこれです。
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見