お早うございます。早起きディレクターです。
僕は根っからの音楽好きなものですから自分の作るVTRでも「思いの強い場面」のBGMは自分で選ぶことが多い。(もちろん最終的には信頼する音効さんに託します)
昔はそんなタイプのディレクターを何人か知っていましたが、今はあまり見かけません。
たいていが全ての選曲を音効さんに任せているみたいです。
確かにディレクターって放送まで作業も多いので、音楽くらい専門家に任せたくなる気持ちもわかります。
でも「選曲」が楽しみの僕からすればこれほどもったいないことはない。
こんなシーンならBGMはモーツァルト |
選曲は楽しい遊びですが危険もいっぱい
VTRで使用する曲はどんなものでもいいというわけにはいきません。
構成の中でその場面がもつ意味合いにもよります。
しかも人間ってそれほど単純ではありませんから、悲しいシーンにはマイナー調の「悲し気な音楽」というわけにはいきません。
「晴れた青空を見て切なくなる」人もいるし「雨降る街並みに心が弾む」時もあります。
選曲って意外と「文学的」な作業なんです。
だからこそ「物語の中の感情をどんな意味の音楽で彩るか」という作業が楽しいわけです。
昔から音楽ってVTRにとって、一種の「飛び道具」だと考えています。
曲がかかるだけで、一瞬にして世界観を変えてしまう力が音楽にはありますから。
例えば前回の大原の「とびだせ!えほん」では最後の場面にあいみょんの「マリーゴールド」という曲を選びました。
ベテランディレクターにしてはかなり思いきった選曲だったんですが、その理由は曲調と歌詞(日本語曲の場合、歌詞の意味はかなり大事です)がそのシーンに合っていると思えたからです。でも、最大の理由は僕が「マリーゴールド」という曲が大好きだから。
とはいえ、こういったストレートなボーカル曲は使い方を間違うと大怪我をすることもあります。
夏の定番曲「少年時代」
井上陽水さんの「少年時代」は今や夏をイメージさせる日本の名曲ですが、テレビではけっこう使いどころが難しい。
例えば下の写真の様な「夏休みの小学校」の場面にBGMとして使用するとどうなるか?
それこそ考えるだけで恐ろしいくらい恥ずかしい場面になってしまいます。
その最大の理由はこの曲はあまりに「夏の定番」になってしまったから「意表をついた感」が皆無であること。(「意表をついた感」のあるBGMってステキです)
もちろんこれは僕の個人的な意見です。
曲はいまだ色あせてはいませんから使う人のセンス次第です。
選曲遊びは楽しいですよ
ところで「夏」と聞いただけで、いろいろなBGMのイメージが浮かびます。
「写真で一言」みたいな遊びですが、みなさんも一緒に写真に合う音楽を考えてみるのも楽しいかもしれません。
例えばこんな「夏の清流」の場面は?
僕ならチャイコフスキーの「アンダンテカンタービレ」
例えばこんな「夏の古びた商店街」は?
僕ならチェットベイカーの「タイムアフタータイム」
「9月には帰らない」
さていよいよ9月です。9月といえば松任谷由美さんの「紅雀」というアルバムに入っている「9月には帰らない」という曲が大好きなんですが、これがまたBGMに使うとなるとけっこう難しいんです。
いちど自分の作品でも挑戦して見たいんですが大怪我しそうで怖い。
でも考えるだけでワクワクします。
https://www.youtube.com/watch?v=M2u_EkQy0Zo |
9月といえばどんな曲を連想しますか?
テレビを見る時、いろいろな場面で似合う曲を自分で想像しながら見るのもまた楽しいかもしれませんね。意外とボケ予防にも効果があったりして。
関連→日常を物語にする人々
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