前から見たかったイギリス映画「イエスタデイ」をついに見てしまいました。
僕は小学生の頃からの(自称)筋金入りのビートルズファンですから、この映画が制作されると聞いた時からずっと気になっていたのですがようやく昨夜ご対面しました。
結論から言うと僕は大満足です
ビートルズになった男の物語「イエスタデイ」
(あらすじ)
イギリスの海辺に暮らすシンガーソングライターの主人公ジャックは音楽で有名になりたかったが、いつしか夢を諦めかけていた。ある日、世界規模の瞬間的な大停電が発生し、ジャックは交通事故で昏睡状態になる。目覚めた世界にはあの有名な「ビートルズ」が存在していない世界になっていた。ビートルズの曲を覚えているのは世界で主人公だけ。
歌詞の記憶を頼りに人前で歌ったビートルズナンバーはいつしか世界に広がり、主人公はスターになっていく・・・ビートルズファンならみんな一度は夢見るお話です。
あまりにビートルズファンにとって虫が良すぎる話なので、ところどころ首を傾げてしまう箇所もありますが、映画ですからこういう作り話もありでしょう。
中でも一番共鳴したのは「何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない」ということです。
とくにイギリスで突然人気者になった主人公をアメリカに進出させて自分たちも大儲けしようと企むエージェントの女性マネージャー、デブラの存在がえぐい。
彼女はコミカルに描かれてはいますが、僕にはあまりにリアルすぎて笑えなかった。
有名人はみんな孤独?
日本でもそうですが、タレントの人気度は芸能プロダクションの力関係にかなり大きく左右されます。タレントの元来の魅力も重要ですが、それ以上に芸能プロダクションはタレントのイメージを管理しようとします。
かつては東京からやって来る人気のタレントさんに大勢の関係者が大名行列のようについて来る光景も局内でよく見かけました。
もちろん関係者たちにはそれぞれの役割・分担があるんでしょうが、担当のテレビディレクターとしては間に入る大勢の取り巻きの人々が気になってなかなか主役であるタレントさんとは打ち解けられないものです。
こうして有名タレントさんはさらに孤独になり、時に孤高の人になり、伝説のベールをまとって世間から遠く離れた人となっていく。
実は気さくで親しみやすいタレントさんも多いんですけどね。
いずれにせよコロナ騒動を機にそんな風景もすっかり見かけなくなりました。
人間は快楽からのがれられないのか?
若い頃は単純ですからちょっとギターを弾けただけで、いつかミュージシャンになって自分の曲を世に広めよう!などと考えます。
恥ずかしながら僕も中学生時代にそんな夢を見た時期がありました。
しかし後からわかりましたが、実際プロになっても自分のやりたいようにできるアーティストなど一握りです。
(そういえば昔、事務所の意向で「赤ずきんちゃんご用心〜」などと、妙なポップソングを不本意ながら歌っていた「レイジー」というバンドもいました。それでもバンドの名ギタリストの高崎晃氏は自分の夢だったヘビメタの夢を捨てずにその後、海外でも活躍しました。えらい人です。
逆にヒット曲で有名になっても、一度売れなくなったときにクスリに手を出すようなミュージシャンがいるのも一旦経験した名誉欲や快楽ゆえでしょう。
ASKAさんもかつて自分が満員にしたマンモス会場の大興奮をいつまでも忘れられなかったのかもしれません。
欲はつきものですが薬物はあきません。
でも、気持ちはわからないでもない。
結局人間、昼間は一所懸命に働いて汗かいて、夕方になったら美味しいビールを楽しむくらいの生活ちょうどいいのではないか?
そんなつつましやかな夢のないことを考えさせられる映画でした。
それにしてもジョンレノン役の俳優さんはよく似ていたなあ。
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