映像のサイズにもいろいろな意味があります
ご存じの方も多いかもしれませんが、映像にはいろいろな画角やサイズがあります。
たとえば人物を撮影する時に、全身サイズのことをFF(フルフィギュア)などと言います。
でも、実際の現場でカメラマンに指示を出すときは「FFでお願いします」なんて言い方はあまりしません。
「もう少し寄って」とか「もう少し引いて」といったかんじです。
そして、もしディレクターが「次のカットはロングでお願いします」と言ったら、カメラマンとカメラアシスタントカメラマンは重いカメラと三脚をかついで遠くまで移動した場所から撮影することになります。
しかも車など余計なものが入らないタイミングを狙って撮影しますからロングショットを使うにはそれなりに時間がかかるんです。
それが理由というわけでもないでしょうが、最近はTVの旅もの番組などを見ていてもロングショットをあまり撮らないディレクターがいてちょっと寂しい。
あれがもし健さんや倍賞さんの顔のアップだったらどうでしょうか。なんか説明臭いというか、監督の思いをこちらに強要させられているような気がしませんか?
などとぼそぼそ考えながら、そろそろまた「えほん旅」の編集作業に戻ります。
名作の中にロングショット
例えば名作映画「幸せの黄色いハンカチ」のラストシーンで高倉健さんと倍賞智恵子さんが再会する場面。
あれってロングショットだったからこそ素晴らしいと思うのです。
だって主人公たちの表情や心情を視聴者の想像に託してくれるわけですから。
あれがもし健さんや倍賞さんの顔のアップだったらどうでしょうか。なんか説明臭いというか、監督の思いをこちらに強要させられているような気がしませんか?
山田監督は「男はつらいよ」シリーズでも、ここ一番のシーンの時のロングショットの使い方は秀逸でいつもほれぼれします。
しかもそのカットには町のノイズ音も叙情的に添えられたりします。
音を大事にする監督さんは大好きです。
猛暑日にロングショットはつらい
前にも書きましたが、最近は「大草原の小さな家」というアメリカのホームドラマシリーズを見直しているのですが、この作品もここぞという場面ではロングショットが多い。
特にエンディングの大円弾のシーンなど、まず間違いなくロングショットです。
もちろんこれは映画製作の基本なのでしょうが、それによって見終わった時の後味がより良くなります。
ちなみにこのドラマはあの倉本聰さん脚本の「北の国から」にも影響を与えたと何かで読んだことがあります。
そういえば「北の国から」も北海道の象徴的なロングショットが多かったですね。
などとぼそぼそ考えながら、そろそろまた「えほん旅」の編集作業に戻ります。
今回はコロナの上に今年一番の猛暑日でしたから遠くから撮影するのも大変でした。
早くロングショット日和になりますように。
長谷川画伯のロングショット
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