よくネットなどに寄せられた投書を見て思うんですが「とびだせ!えほん」というコーナーはどうやら視聴者の年齢層が比較的高いみたいです。
たぶん僕とおなじくらいかもう少し年上の方々か。
たまに渋いもの好きな若い子から「あのコーナーが好きです」と言ってもらうこともありますが、それでもやっぱり高齢層が多い。
きっと作っているディレクターの趣味・嗜好が原因でしょう。
自分の見たい番組を作っていたら、いつしかグルメや観光とも縁のない、このような地味な(それだけでもないんですけどね)コーナーができてしまったわけです。
あてのないロケ、とにかく暑かった亀岡。
2012年の7月に放送した亀岡編はその典型でした。
当初はあんまり暑いので観光名物の保津川下りをたのしむ予定でしたが、ロケの前日は台風による大嵐で川が氾濫。川下りどころかトロッコ列車の運転も中止になってしまいました。
ロケの下見では筏下りの事務所に打ち合わせに行き、観光名物のトロッコ列車にも電話であいさつをしていたんですけ仕方がありません。
結局、「とびだせ!えほん」とっても地味で妄想的な展開になったわけですが、この亀岡編では大事な発見もたくさんありました。
台風一過、気温は37度。
ロケ当日の亀岡は台風が去った翌日の見本のような猛暑で気温は37度。
保津川下りをあきらめたスタッフと長谷川画伯は、仕方なく暑い城下町を歩くことにしたんですが、ここはロケハンもしていませんからどこに何があるかもわかりません。
城下町に特有の縦横にあてもなくだらだら続く道をとぼとぼ歩く撮影隊。
道中「長谷川さんの前髪はなぜ短いのか?」などとという”どうでもいい話”をしながら歩いていると、偶然、散髪屋さんを見つけ、さらに植木をカットしている気のいい職人さんにも出会います。こうなると、なんだかわくわくしてくるもんです。
そして美しい水が湧く町の公園へ
そして行き着いたのが美しい水がこんこんと湧き出る町の公園「古世親水公園」です。
ここは昔から亀岡の人々が洗濯をしたりおしゃべりをしたりする憩いの場。
長谷川さんは偶然出会った親子とカニ取りをして遊んだりしていますが、その姿を見ながら「ぼくたちにはやっぱり観光名所の保津川下りよりも、生活感のある普通の水辺の方が似合ってるな」なと実感したものです。
ちなみにこの水辺で、あまりにも描くものがないので長谷川画伯は生まれて初めて自分の足をスケッチしています。変な番組です。
そして亀岡編の最後のシーンは保津川の川辺を行き交う馬車です。
楽しみにしていた保津川の筏に乗れなかったので、せめて観光馬車でも!というスタッフの気づかいで長谷川さんに乗ってもらったんですが、画伯はなぜか外の風景より車を引くメス馬「スピカ」ちゃんのおしりが気に入ったようです。
こういう変なところもおじさんやおばさんに好まれるんでしょうか。
でも特に観光的なものは何にもないけど、目線を変えれば何かを見つけられる、というのは我々にとって大きな発見でした。
スタジオ用に描かれた絵 |
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