ディレクター駆け出しの頃に教わったこと〜VTR編集〜

2020年4月20日月曜日

TVディレクターの仕事

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VTR編集時の心得


おはようございます。早起きディレクターです。
今日も「ステイホーム」で時間はたっぷりあるので、新人の頃に先輩から教わったことを書きます。もちろん究極を言えばまったく編集なしで放送できるくらい完璧に収録すればいいんですけど、そううまくはいきません。
「そんなこと言われなくてもわかってる!」という”できる”方もいるとは思いますが、最近はこんな古いことをいう人間も減りました。
絶滅種のたわ言だと思ってお付き合いください。




その1それぞれのカットの意味を全部説明できるようにせよ」

いきなり基本中の基本ですが最初の頃はこれがなかなか出来ないものです。


「なぜファーストカットにその絵を選んだのか?」


「なぜそのサイズの絵なのか?」「なぜここでズームインをする必要があるのか?」


「次のシーンへのつなぎは本当にそのカットでいいのか?」


「そのカットは物事を説明するためのものなのか?

 それとも見ている人の情感を高めるためのものか?」


やたら疑問形が多いですが、それらをひとつひとつ視聴者に説明できないとダメだと教わりました。そしていつも先輩に説明しまくっていました。

なんだか尋問を受けているコソ泥みたいでした。

その2「演出をした架空シーンなのかそれともリアル(現実の)シーンなのか視聴者にわるように編集せよ


現場での撮影方法にも関わってきますが、これもよく言われたことです。


僕らは演出としてちょっと非現実的世界を感じさせるような「遊び」をすることがあります。でも、そういう時は「このシーンは作り手が遊んでいるのだな」と視聴者にわかるように編集しなさいということです。

もちろんドキュメンタリーなどリアルな場面でもたまに「遊び」の入った編集はしますが、その時も見ている側が「これは現実」「これは遊び」と理解できるように編集する。
言ってみれば親切心、良心の問題でしょうか。

でも時代も変わりました。今のテレビではリアルか現実かよくわからないVTRもたまに見かけますが、それが作り手の狙いなら、それもありなのかもしれません。


その3「ジャンピングカットは避けよ(場合によってはOK)


ジャンピングカットってわかりますか?

*ウィキペディアによると「同様のショットを、 時間の経過を飛ばして繋ぎ合わせること」と説明しています。


よくインタビューVTRなどである人物が話している時に同じ場所なのにカットがポン!と微妙に変化ししたように感じて違和感を覚えることってありますよね。

(違和感を覚えない人も増えたかもしれません)

今では考えられませんが、僕が若い頃は制作番組ではジャンピングカットは非常に嫌われていました。

もしジャンピングするならそこに風景やルーズショットなど別撮りしたインサートを重ねて視聴者への違和感をなくすように編集しました。そんな時、絵が足りなくて苦労したものです。
*もちろんニュースの編集は別です。
 報道はリアリティーが基本ですから「ここは編集してますよ」という編集が求められま
 す。

でも時代の流れとともにジャンピングカットも当たり前になってきました。

今では『あえてあらく繋いでリズム感を出す手法』として使うこともたまにあります。
でもいまだになぜか罪悪感にかられます。




それ以外にも
「パンニングを使う時は一定方向に一度動いたら逆方向には戻らない」とか

「状況説明で、あえてカットを割らずに使うことで位置関係を視聴者に理解させる」などたくさんのことを教わりました。


ほんまに先輩方には感謝しています。ありがとうございました。





ディレクター駆け出しの頃に教わった5つのこと 現場編

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関西在住。早起きのベテランTVディレクターです。これまで旅モノやドキュメンタリーを中心に活動。MBS「ちちんぷいぷい」の旅コーナー”『とびだせ!えほん』『前略、旅先にて』やKTV「ふるさとZIP探偵団」などを担当していました。 テレビ業界での経験話からドラマや音楽論。そして趣味の占星術まで色んなジャンルの話題をつづっています。

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