実は3時過ぎには目が覚めて寝床でVTRの構成を考えていました。
イラチで小心で悲しい性分ですが、大概のディレクターはそんなもんじゃないでしょうか。
予想通り良いものが撮れていたら「おしっ!」とザクザクつないでいきます。
思うような場面が撮影できていなかった時は頭を抱えて再び寝床に入ることもあります。
いずれにしても今は仮編の段階だから、がむしゃらに前に進むしかありません。
勝負はそのあとどれだけ粘れるかです。
最悪の環境で言われた忘れられない言葉
今から20年ほど前、ある制作プロダクション経由で依頼され、軽い気持ちでひき受けた番組がありました。
でもそれはかなりきつい仕事で、それまでいろんなディレクターが引き受けてはあまりのしんどさに耐えられず、すぐに辞めていくような番組でした。
しかもその仕事を依頼してきたプロデューサーはとても有能な方なのですが、なかなか強引な性格でつねにご自分の世界観をこちらに押し付けてきます。
仕事で相手にペースを握られ振り回されるほどストレスの溜まることはありません。
キャリアも年齢も向こうのほうが上なので一応は言うことを聞きますが、何度か意見のぶつかり合い、怒鳴りあいに近い時もありました。
そして36歳の僕は最後にとうとう力尽きかけました。
そんな時にそのプロデューサーに言われたひとこと。
「最後まで足掻かんやつはアホや」
腹はたったけどなんだか説得力のある響きでした。
そうか、もうちょっとだけ足掻いてみよう。
もう一回だけ足を踏み出そう、とがむしゃらに前に進みました。
結局その番組の出来は納得できるものではなかったのですが、なんとか形にはなったと思います。
その方とは半年ほど一緒に仕事をしただけでそれから会う機会もありませんでした。
何年か後に亡くなられたことを風の噂で聞きました。
その時の記憶は今となってはだいぶぼんやりしていますが、あの言葉だけはいつも頭の隅から消えることはありません。
足掻かん奴はアホや
もう一回だけ足を踏み出そう、とがむしゃらに前に進みました。
結局その番組の出来は納得できるものではなかったのですが、なんとか形にはなったと思います。
その方とは半年ほど一緒に仕事をしただけでそれから会う機会もありませんでした。
何年か後に亡くなられたことを風の噂で聞きました。
その時の記憶は今となってはだいぶぼんやりしていますが、あの言葉だけはいつも頭の隅から消えることはありません。
足掻かん奴はアホや
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