編集を楽しく進める秘訣
TVディレクターをやっていてこんなこと言うのもアレですが
「僕は編集が嫌いです」
あ!言うてしもた・・・でもロケは好きです。
ロケ現場ではディレクターが事前に想定していた通りには物事は進みません。
会うつもりだった人が当日いなかったり、行きたいお店がお休みだったり。たいてい現場ではいろんなアクシデントが起こります。
でもそれはそれとして柔軟に対応して、誰も予想もしていなかったような「素敵な偶然」と遭遇する。もっと言うと「素敵な偶然」を上手に引っ張り込む。このアドリブ感が大好きです。
逆に全部が想定通り運んだ時は大抵つまらないものになります。
編集はじゃまくさいものです
で、そのロケ素材を持って帰って編集するんですがこれがめんどくさい。
ある程度作業が進んだら(あら編、仮編と言います)やる気も出るんですが、そこまで行くのが大変。
そんな時に自分を奮い立たせる秘訣がオンエア時に流れるBGMを想定しながら編集
することです。
「このシーンにはこんな曲がついたら素敵だろうな」と考えるとワクワクしますし、実際に直接曲をあてながら作業することも多いです。
僕の場合よく使うのは昭和の歌謡曲やジャズ、クラシック、R&Bなどなどジャンルはいろいろですが、とにかく自分が好きな楽曲であることが絶対条件。
ただ最近は著作権の問題も複雑なので使用時には注意が必要です。
でも、現場での「素敵な偶然」が生んだ場面に、自分が選んだ音楽がピタッとはまった日にゃあ…楽しくてディレクターはやめられません。
ちなみに鹿児島で訪れた喜例川駅では中島みゆきの「ホームにて」がはまりました。
こうして勝手に一人で喜びながら朝早くから仕事しています。
音のプロとの仕事
さて編集作業も進んで最後にバトンを渡すのが「音効さん」です。
VTRで流れる曲の選定から音のレベル調整まで、作品をより見やすく聞きやすくして
くれる音の職人です。
僕は今、関西でも有名なベテラン音効のKさんとお仕事させていただいていますが、
やっぱりプロはすごい。
僕たちディレクターは実際に現場に居たのでどうしてもイメージが限定的になりが
ちです。だから使用する曲もどこか偏ってしまうんですが、Kさんは「BGMのプロ」
ですから僕らが予想もしない目線で、新たな世界観をVTRに与えてくれます。
ごくまれに、選曲した音楽がその場面の感情、物語の展開、リズム&タイミングなど全て
に完璧にはまる時があります。
そんな瞬間をKさんは「神が降りて来た」と呼んでました。
合唱・・・
合唱・・・
でも中にはVTRの選曲にあんまり興味のないディレクターさんもいるみたいです。
もったいない。
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