ロケハンの流儀
おはようございます。早起きディレクターです。旅のコーナーを担当していますがもちろん事前の下見(ロケハン)は欠かせません。
ロケハンのやり方はその旅コーナーの特性にもよりますが、きっちりとネタの調査をしてから出かける場合もあれば、行く町の概要だけを頼りに出かける時もあります。
僕はタイプ的に後者なんですが、それでも初めて行く土地ではけっこう長い距離を
歩きます。だいたい3、4キロと行ったところです。
「雰囲気のある路地があるなあ。」
「このアロエは誰が植えたんだろう?」
「この学校にはどんな生徒がいるんだろう?」
色々考えながら歩くのは楽しいもんです。
気が向いたら5キロ以上歩く時もあります。
自分を納得させるために歩き倒す。
そしてもう一つの理由は生きた情報を知るため。
事前に本やインターネットなどで調べていただけの薄っぺらい二次情報でも、実際に自分の眼で見て自分の感想が加わることで立派な一次情報、つまり生きた情報になります。
コピペではない、自分が感じた情報でないと人には伝わりません。
多分それはテレビに限らず誰かに物を伝える仕事の基本だと思います。
町の人と挨拶しよう
歩いていると当然地元の人々とも出会います。
そんな時は必ず「こんにちわ」と声を出して笑顔で挨拶するようにしています。
それは当たり前です。
相手にしてみたら平日のまっ昼間にいかつい顔のおっさんがぶらぶら歩いていたら警戒もするでしょう。
ちなみに僕は出演者の絵本作家さんから「蔵王大権現」と呼ばれていますから尚更です。
でも今はアシスタントの女の子と一緒に歩くことも多いので第一印象的にもかなり助かります。
たまにお年寄りから「ご夫婦でご旅行?仲がいいねえ?」などと言われますが、
どう見ても年齢が離れすぎています。
僕はいいんですがアシスタントが気の毒です。
そして、出会った人とあれこれ雑談した後に「実はテレビの下見なんです」と正体を告げることもあります。後で何が役に立つかわかりませんから。
つまり何をやっても物事がうまく進展しない時間です。
そんな時にはあんまり会いたくない人とも出会ってしまいます。
たいがいは笑顔で「さようなら」とやり過ごせばいいのですが、中にはお酒が入っていたりして、しつこくからんでくる人もいます。
そんな時の対応はかなり慎重にしなければなりません。
こちらは他所様の町で撮影させていただいているわけですから。
ある時、カメラが回っているので少しだけ静かにしてもらうようお願いした女性スタッフに掴みかかろうとした男性がいました。
結局何度も謝ってその方には納得してもらいましたが、その間にもロケハンで知り合ったご近所の皆さんが集まって来てくれて我々の世話をしてくれた上に
「こんなことがあってもこの町を嫌いにならんでね。また、いつか取材に来てね」
といたわってさえくれました。
本当にありがたいことです。
いちばんケアしなければならないのは出演者
ところでそんな時にもう一つ心配しなければならないのが出演者のことです。
ディレクターはまず第一に出演者にトラブルが及ばないよう気遣わなければなりません。
で、肝心の絵本作家の長谷川先生はといえば、、、
少し離れたところでカメラマンと一緒にこちらを見ながらくすくす笑っていました。
ま、ええか。
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